上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

仕事ができるようになりたい

ですか?

具体的には

・出世して給料を上げたい

・仕事ができると周りから言われて一目置かれたい

とかですかね。。

 

どんな仕事をしてても良いのですが、もし会社員であるならばやるべきことはある程度見えてきます。

 

1.自分の役割として与えられた仕事が上手になることを目標にしてはいけない。

2.まずなぜ自分がその仕事をやっているのか、その仕事は会社の中でどういうパートなのかを調べよう。

3.そもそもその会社は何を売ってどれくらい売上が出てその中で利益はいくらくらい出て損益分岐点はどの辺に存在していて、商売の流れがどのように分解されて色々な役割に割り振られているかということを頑張って理解する。

4.そうするとなぜ自分がその仕事をやっているかがわかって、頑張る理由が理解できるようになる。

5.全体の構造がわかっていると何を頑張れば良いかが自然とわかるようになるので、少なくとも全体を理解していない人よりは、はるかに高い効率で成果を出すことができるようになる。

6.いつの間にか仕事ができると言われ、出世している。

 

という感じですかね。

個人事業主とかスペシャリストで無い限り、1ばかりやっていても一生下っ端です。もちろん新卒で入社したり中途でも入社したばかりの頃は与えられた仕事は一生懸命やるわけですが、仕事が与えられるということ自体が下っ端である事を知りましょう。基本的に仕事は自分で作るものであり、それを自然に理解できるようになってはじめておいら仕事できちゃうもん協会への入会資格が得られると思ってください。

 

常に視座を高くもち、直属の上司、例えば課長から何か命令を受けるとしたらその上の部長とか社長はどういう意図をもってその課長にそういう指示を出させているのかを考えてみると良い訓練になると思います。

 

「仕事ができる」って一体何なのか

社会人として20年も仕事をしていると、同じサラリーマンという、会社から給与をもらう立場でありつつもその年収は10倍くらい平気で差が生まれます。

突出した上下3%くらいカットすると下は300万、上は1500万くらいでしょうか。

 

私の周囲には、仕事ができそうな人が多く居ますが仕事ができるという抽象的な表現は具体的に言うと多くのパターンに分けられると思います。

 

■「仕事ができる」を具体的に言うと・・・

 

○作業のスピードが早い。正確に同じ事を繰り返すことができる。(ワーカー目線)

○共感力が高く理解のスピードが早い。(一般社員目線)

○人物好感度が高く初対面の人と仲良くなるスピードが早い。相手の購買意欲を刺激するのが上手。(セールスパーソン目線)

○PCスキル、プログラミングスキル等専門知識が豊富で応用力がある。(専門職目線)

○共感力が高く人を動かす事が得意。俯瞰して物事を判断できる。(管理職目線)

○メスの扱いが上手い(外科医目線・水商売目線)

 

等いくらでも書けますが、はっきりいって仕事の数だけ「仕事ができる」の内容は異なるわけです。

どんな人でもその人にあった仕事は存在すると私は思うのですが、あるスキルは優れていてもそのスキルの対極にある要素は劣る事が多く、どんな仕事でも「デキル」というのは不可能です。しかし当然人によって対応可能範囲には大きな違いがあります。

 

ですので、現在「仕事ができる」と言われている人は自分が活躍しやすい仕事に幸運にも巡り会えた人であると言い換えることもできると思います。

元々の基礎能力が高めの人は仕事ができると言われるポジションにつける可能性が高いのは言うまでもありません。

そして仕事や職務の内容によって得られる収入には大きな差が生まれます。

 

つまり、高い収入が得られやすい職務への適性が高く、且つその職務へ幸運にも就くことができたという2つのハードルをクリアした場合、高年収になるのかなと。

 

何が言いたいかと言うと色々な事が言いたくて、一つは「仕事ができる」としてもそれは割りとたまたまの要素が高いので調子に乗っちゃいけないよということと、「仕事ができない」と言われたら我慢しないでとっとと転職した方がいいよってことです。

 

東芝がこんな事になる今の日本において、たまたま就いた自分に合ってない仕事に固執する必要は全く無いと思います。同時に自分に合ってるおいしい仕事に就けたとしても安穏と過ごせる期間はもしかしたら思っているよりも短いかも知れないわけです。

 

新卒とかがよく自分は何がしたいのかという事を考えたりしていますが、それって実は結構おこがましくて、本当に考えないといけないのは自分は何ができるのかという謙虚な自省だと思うのです。

 

まあこういう結論も無い取り留めのない状態でも好き放題書き捨てられるというのが勝手ブログの良さでもあり・・そのうち整理して書き直します。

 

 

 

 

面接前の企業研究を強要する企業について

先日ある会で知り合った上海のある日系企業の代表者が言ってました。

 

「最近の中国人採用候補者は面接時にうちの会社のことを全然調べて来ない。そういう奴は全部落としてる!」

 

うーーーーーん。。

気持ちはわかる。わかるが、、、あまり賢い対応では無いですね。

 

 

応募側にとって見ると、入社を検討する会社を調べるのは完全に自分のためにやるものですね。

そして日本では面接マニュアル的な情報に溢れているため、面接前にできるだけ相手の企業を調べて、自分がどれだけその会社に入りたいかをアピール!みたいな変な常識があることもわかります。

 

しかしここは外国。そして中国。

給与レベルの低いワーカー層がその会社を面接前にじっくり調べたりすることは基本的に無く、更にいうと最早上海において日系企業に勤める価値は相対的に激減しています。

 

相対的にと言うのは、ローカル企業がすごい勢いで成長し給与相場も上昇しているのに対し、業績が停滞・下降している日系企業の給与相場は最早ローカル以下になっている場合も少なくない、国営企業の場合給与は低くても福利厚生がやたら恵まれているのでその差を補って余りある状態。

市場全体が売り手市場であり、日系企業がその中でどんどん人気が減っているにも関わらず以前と同じような採用方針で候補者の能力を知ろうともせずに切ってしまうわけです。

 

それじゃあ良い人なんかとれっこ無いわけです。

 

日系企業でも、業績を伸ばしている会社の代表者は各種のマーケット状況にも明るく、その時必要な判断を必要なタイミングで下しています。

一方で業績を伸ばせていない企業はやっぱり代表者もどこかずれている人が多いです。

 

 

私としては海外で働く日本人をもっともっと増やしていきたいです。

しかしやっぱり適性の壁は少なからず存在していて、割りと物事に固執するタイプは正直苦労する場合が多いですね。

それが良い方向に働けば素晴らしいプロダクトやサービスを作ることもできるわけですが、ことマネジメントとか経営という観点だと海外では物事へのこだわりが少ない人の方が向いていると感じます。

不測の事態は日々起こるので、さっさといらないものを捨ててより可能性の高い方に方向転換できる人が向いているように思えます。

その辺は性格診断テストでかなり見えるので、海外人材の選定はある程度機械的にふるいにかけてみたりしても良いと思います。

 

 

起業礼賛に警鐘を鳴らすべきのような気がする

ネットに溢れるビジネス提言、働き方指南、起業礼賛、どうもインターネットではのんびり如何に効率よく働くかというよりは、どれだけ自身のパフォーマンスを高めて生涯収入を上げるかというような話が多いように思えます。

 

でも実際のところ起業家は全社会人の中ではほんのほーんのごく一部であり、起業したところでその95%は失敗に終わるそうですね。

しかもビジネスが一定以上に成功したとすると、更なる拡大を目指してより業務にコミットしていかなければならないという茨の道でもあるわけです。

そんな本当にごく一部の人しか許されない道に対する礼賛がやや多すぎるように思うのですがそんな事ないですかね?

これまで数多くのベンチャー起業家と接して来た経験から言うと、頭の良い方はもちろん多いし人間的な魅力が高い場合が殆どです。ただ、英雄色を好むなのか浮気や不倫などに対する心理的ハードルを全く持たない人が正直かなり多く、悪い言い方をすると自己愛が強くサイコパス傾向が強いのも事実です。自己愛の強さが自己実現へのエネルギーとなるわけですね。頭も良いので人を感心させるような事を言うのも簡単です。

 

何が言いたいかというと、僕は彼らのことは人間として大好きで仲良くさせていただいている方も沢山いますが、彼らのようになりたいともなれるとも全く思いません。やっぱり特殊な人たちではあります。

大多数の人間は被雇用者として一生を終えるわけであり、ファンタジーとして彼らの成功物語を楽しむのは別に良いのですがあまりに啓発され過ぎてしまうのも問題かなあという気もします。

 

就職するための良い企業の選び方や、会社の中でどのように振る舞えば出世しやすいか、いかに手を抜いて結果だけを手に入れるかなどの情報がもっとあれば良いのになと思うんですが書いていてそういうのは別に読みたくないですね・・・

 

本当は仕事の手を抜くってすごく大事な事で、これは本気でやらないって事でもあるんですけどそれよりも如何に無駄を無くすかということでもあってそこでどうやって人を使うかであったり自分を暇にさせて本来何に時間を使うべきかを考えたりすることでもあるわけです。

年収も大事ですがそれよりも大事なのは実時給というか、自分が動く時の時間単価を最大化するということも大きな目標としてあるべきなんですよね。

指示されたことだけをやって自分の時間を切り売りするような状態は非常に苦しいです。無論様々な事情で止む無くそのような仕事をせざるを得ない場合が大半だと思うのですが、それだと永久に実時給は上がらないのでそこをどう脱却するかという方法論はもっと語られるべきかなと。

そういうテーマで今度しっかり意見を書いてみたいと思いました。

上海と比べた東京

一週間ほど東京に出張してきました。

驚いたのは新宿の紀伊国屋前に周大福が店を開いていたこと。台湾や大陸では有名な貴金属店ですが、日本人はここで買うことは無いだろうと一瞬思いましたが、新宿に観光に来る中国人を量を考えるとそれはそれでアリなのかなという気もしてきました。

 

しかし東京に来るといつも思うのは本当によく歩くようになります。上海だとIoTのMobikeもあるし、そもそも駅の近くにしかあまり用事が無いのであまり歩きません。またタクシーもここ数年高くなったとはいえ初乗り270円相当なので日本よりだいぶ安いです。日本のタクシーも初乗りが410円とかで驚きましたが乗った後に急激に金額が上昇するのでやっぱり高いですね。

まあ歩くのは健康に良いので良いとして、やはり現金決済の多さに疲れます。色んなブログやサイトにもある通り、上海や北京はほぼ全てスマホでのオンライン決済で生活可能です。現金を使う機会は基本的にありません。なので東京で普通に過ごすだけでポケットに小銭が山のように溜まっていくのはやっぱりかなり不便さを感じました。

おそらく決済プラットフォームが乱立するせいでなかなか普及しにくいのだと思いますが、国家的に遅れているということを踏まえて連合を組むなりして統一化を図って欲しいですね。

ちなみに中国だとアリババの支付宝とテンセントの微信の2通りであり、普通は両方使う感じです。

 

東京も頻繁に行くと帰国した感動も無く面倒さだけが際立ちます。昔は一年ぶりに帰国とかだったので日本に居ること自体が感動だったのですがそういうのも無くなりました。街はきれいだし何でも安いからありがたいのですが、観光客にとってのバリューは薄れたようにも感じます。やはり観光だと地方をお薦めした方が良さそうです。

総合的な印象としては街として古びてきてこじんまりしてきた感じです。ただまあこれは決して悪いことでは無く、東京ブランドが変化してきているところもあるのでしょう。かつての流行の発信地であり、金とエネルギーが渦巻く都市という立場は新興国に譲ることになったとしても、清潔で治安も比較的安定しており物価も安いという都市は他にあまり例が無いように思えます。

他の成熟した都市はとにかく物価が高いですからね。

 

そんな取り留めのない事を考えつつ、また上海で頑張ります。今年は中国内の地方出張が多くなりそうで、中国の地方都市をお知らせできることを楽しみにしています。