上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

スルガ銀行シェアハウス融資問題

www.sankei.com以前書いた

かぼちゃの馬車に住もうと思うか? - 上海に居ながら日本を考える

スルガ銀行に対して大きな義憤を感じたためちょこちょこ続報を探していますが今こんな感じのようです。

金融庁の立ち入り検査の結果はどうだったのかな・・・

 

腹立つのはこの銀行自行サイトに何のリリースも出していないんですよね。見解くらい発表しろや・・

これ流れ的に融資審査が甘かったとか監督責任がどうとかいう方向に持っていきそうな気配ですが、これは甘いとかそういうレベルじゃないです実際。
一億を超える融資に対して土地建物の本来のかかるべき費用を大きく超えている点や、借り主の保有残高資料の提出をスマートデイズ経由にして意図的に改ざんを自分の責任にならないようにしていたりなど、あまりにも悪質というか完全に犯罪では無いかと思うのです。

どうせ金融がらみだから簡単につぶせない云々で忖度しまくりの判断になるような気がしますが、これは一支店の支店長を飛ばすくらいでは到底追いつかない大問題だと思うのは私だけでしょうか?
メディアの論調がやけに弱腰で切り込む気がないように見えるのも私だけかな?

借り主への返済計画の見直しとかぬるい対応で切り抜けられてしまうのでしょうか?

お前らがスマートデイズとのスキームに自信を持って貸し付けたんだからその自信の責任をとって融資額で買い上げればいいと思うんだけど。

まあアホな借り主の責任は免れるべきでは無いと思うけど、それ以上に銀行の責任は重い。

どうかこの事件がいつの間にか流されてスルガ銀行の行員が銀行員ヅラして世の中を闊歩することの無いよう切に願う次第です。

 

中国のセクハラとパワハラ

日本すごいですね!セクハラとかパワハラとか。me tooとかやってるから日本だけでは無いのか。

 

さて、お隣の中国での事情はどうでしょうか?

 

日本と一つ大きく違うのは、女性の社会進出というか女性社長や管理職の比率が中国は日本より遥かに高いという事があります。中国は大体どこも共働きですので、女性も大抵働いていて専業主婦というのは極めてマイノリティです。
旦那さんより給与が高い奥さんというのも全く珍しくありません。

 

その背景には妊娠出産育児をサポートする制度や親の存在が日本より優れているという事が大きく寄与しています。日本ほど妊娠出産育児がキャリアへのダメージにはなりにくい、日本女性にとっては羨ましい環境が中国には存在します。

 

そして、女性幹部が多い以上そもそも日本よりも男性優位社会では無いことから、セクハラの発生する可能性は日本よりも小さいと言えるでしょう。

 

セクハラとは、セクシャルハラスメントであり、パワハラパワーハラスメントですね。

これ、パワー、つまり権力とか腕力なのですが、日本は権力=悪みたいな左翼思想が強い国ですがやっぱりパワーはパワーなわけですよ。つまり力こそパワーなのです。

 

そして中国はパワーが重要です。パワーの無い者は追いやられ、ろくな仕事に就けず、給与が低いのは当然です。パワーのある者がそのパワーによって部下に指示するというのも当たり前です。

ハラスメントと取るのかどうかは受け手の問題というのがパワハラの基本的なスタンスですよね?

だからもし仮に日本以上にパワハラ的行為が発生していたとしてもそれはハラスメントと認知される率は日本より低いと思われます。また中国人は合理主義なので、使えない人材にパワハラかます暇があったらクビにします。使える人材は自分の収入を上げてくれる大切な仲間であり、当然ながら嫌がらせをする必要は無いでしょう。その意味でパワハラは日本より発生頻度は少ないと断言できます。

 

一方セクハラはちょこちょこ聞きますね。でも人間だって一皮剥けばただの動物ですし、あんまり聖人君子をスタンダードにしてしまうと最終的にみんなが困るんじゃないのかなーという気がします。

いずれにせよ日本より転職が当たり前の社会だから、嫌がらせされたら転職すれば解決します。

 

こういういじめとかハラスメントとかって、つまるところ村社会に発生しがちな問題なんですよね。密閉され人の出入りが少ない学校という場でいじめが起こり、転職が必ずしもポジティブには受け取られず終身雇用などという制度で会社に閉じ込められた社員の間でハラスメントが発生するわけです。

銀行みたいな一回出たら二度と入れない会社だとその発生確率は飛躍的に上昇するでしょうし、韓国でこれ系の話題が多いのも財閥系に入社したら泥をすすっても居続けないと収入が激減するとかそういう社会背景もあるのかなあと。

あ、警察とか消防署とか公務員系もまさにその最たるものですね。

 

動物も密室にたくさん入れたら中で殺し合いを始めたりするわけですし、つまるところそういう話でもあるんじゃないですかね。

日本全体が密室化しているイメージが湧いてしまいます。

 

会社なんてガンガン変えながらキャリアを高められる日本になってくれることを心より願います。

 

 

 

 

 

 

 

かぼちゃの馬車に住もうと思うか?

www.bengo4.com

無知な出資者、詐欺師、詐欺銀行に詐欺建築会社、不幸な住人という悲惨なスキームが取りざたされていますね。

しかしこの件でやはり一番注目したいのはスルガ銀行だと思います。個人向け融資率が非常に高いやり手地銀と言われていましたがつまるところこういうことであったのかととても残念に思います。

 

そして、この件で銀行に対する漠然とした信頼が失われることを望みます。安定・真面目・高給といった印象がまだまだ強いと思いますが、所詮金貸しです。

いわゆるお金儲け(中国で言う赚钱)をしようと思う場合、何かを作って価値を創造し販売して利益を得るメーカー的な手法があります。そして価値や物価格差などを利用して流通による差額を得る商社的手法、人がお金を出したくなるサービスを作って提供する飲食等サービス業的手法があります。全て商品やサービスという媒介を経て利益を得るやり方です。

しかし、お金のみを生み出すのはやはりお金そのものを媒介にする金融業に勝る効率はありません。お金だけあればいいからね。

でも、一般的な会社は利益を創出する過程で商品によって文化を作ったり、サービスで人の心を豊かにしたり、そもそも生きるのに不可欠な食事を提供したりとか、明らかに世の中の役に立っています。無論その中で公害やゴミを生み出したりマイナスもありますが。

 

しかし金融業には基本的に価値がありません。

何かを始めたい時に銀行から融資を得てというモデルに意味があるのはわかりますが、クラウドファンディングを始め様々な資金調達手段も発達し、銀行の存在意義はどんどん失われています。

 

私の住む上海でも全てのメガバンに多くの地銀が来ています。金融業として日本企業を助けるという意味でメガバンはまだわかるのです。

しかし地銀、何やってるか知ってますか?なんか銀行業は認めてもらえないから、コンサル企業とか作って日本の顧客企業同士を結びつけるセミナーとかやってるんですよ。

みんな中国に稼ぎに来ているのであっていつでも連絡とれる日系企業なんてわざわざそんなセミナーに出てまで探す必要なんて全く無いんですよね。

参加するのは無知でなにしに来ているか自分でもよくわかってないおじいちゃんばかり。

そんでしょうもない講師呼んで「今の中国は~」とかやってるわけですよ。アホかと。日本でやれと言わざるを得ません。

 

挙句の果てに日本では地銀の合併が花盛り。存在意義が無いから寄り集まって大きくなってみましたという感じですね。ゼロがいくら集まってもゼロなんですがね。

 

まー出資者に同情はしません。昔からこんな詐欺は繰り返されてきたし。

自分で頑張って住人を集めるしか無いですね。

 

スマートデイズも現れては消える詐欺のアブクに過ぎません。

しかしスルガ銀行テメーはダメだ。貸付額に対して土地と物件の価値が低すぎるというのはわかっていたはず。わからないくらい無能だという事を頑張って証明するのでしょうか。

メディアはどれくらい追求するのかな?しないのかな?

 

スルガ銀行さんには是非つぶれて欲しいと思います。株も急降下だけどまだまだ下げたり無いです。詐欺に加担せず真面目にやっている行員も多いとは思うけど、早く転職した方がいいと思うよ。もっと価値のある仕事は世の中たくさんあるからね。

 

 

 

 

漫画文化と日本のテレビ番組の品質への考察

日本人は世界一漫画を読んでいるであろうことは想像に難くありません。

私も結構好きです。

 

最近Amazon Primeでアメリカのテレビドラマである「West World」を見ています。正直そのあまりの品質の高さに目から鱗がボロボロと落ちました。

 

日本ではよく映像作家?とかが日本ではまだこのレベルの作品は受け入れられないという表現をしますよね。何お高くとまっちゃってとか思っていました。

しかしやっとそも意味がわかりました。
多分その筋の人からしたら「West World」で何を言っているんだ思われるかも知れません。

アメリカはおバカ映画やドラマも多いですが、基本的に人間の内面を追求するものが多いと思っています。そしてそのフォーカスはものすごく繊細な部分を照らします。それを見せられた視聴者はその繊細さに心を動かし、創造力を膨らませて楽しむわけです。

 

一方で日本のドラマの何という単純さと画一性。小学生でもわかるようなわかりやすい人物設定で、そこには繊細さのかけらもありません。

 

で、なぜそんなに違うのかを考えてみました。そしてそれは漫画のせいじゃないかと思うようになりました。

どういうことかというと、映像と静止画の違いです。漫画は動かないので、シーン毎に切り出されたコマとしての表現です。一方映像は連続したコマとして流れる表現となります。映像は役者によりその感情の機微や心境などが非常に高いレベルと豊富な情報量で伝えることができます。しかし漫画というのは情報量が映像に比べると極めて少ないため、どうしてもひとまとめにしたわかりやすさにならざるを得ないと思うのです。

 

そして日本人は漫画を通じてそのわかりやすい表現に慣れすぎてしまい、映像世界の繊細且つ膨大な情報量を受け止められない、受け止めたくない人が多いのではないかという仮説を思いつきました。

 

少ない情報量でありながらもコマとコマとの間を想像させるような高レベルの漫画は極めて少なく、実際は切れ切れになってわかりやすいものばかりなのが日本の漫画の実情だと思います。

だからそういう受け止め方に慣れたしまった日本人に対しては、映像においても誰にでもわかりやすい単純なストーリーで、役者についても大雑把で創造力をふくらませる余地の無い演技しか求められなかったのではないでしょうか。

 

完全に思いつきなので多分間違った内容だとは思うのですが、日本の映画やドラマが低レベルな原因の一つでは無いかと思う次第です。

 

 

 

 

台頭する中国とゆるやかに衰退する日本

これ系の記事や意見は死ぬほどありますが、久しぶりに大前研一さんの記事に完全同意したので貼ります。

 

www.mag2.com

ジャパン・アズ・ナンバーワンなんて言葉もありましたが、もう無理しなくていいんだよという気持ちもあります。元々人口ボーナスで成り上がっただけでその順番を譲る時が来ただけの話で何の不思議も無いわけです。

 

国の活力が無くなっても伸びる企業は伸びるし稼ぐ個人は稼ぐ。

ただこれまでのように横並びで収入があがっていくような人生設計はできなくなり、より個人の力量が問われる時代になったという理解でいます。

 

海外に出稼ぎに行く日本人も増え、より貧しい国からの外国人就労者も増え、文化も急速に変わっていくことになると思います。察する文化が薄れ、伝えたいことははっきり主張しないと伝わらない社会に変わっていくはずです。当然ナショナリズムはより台頭しますが、ナショナリズムで国の経済がよくなることは無いです。

 

私の世代である団塊ジュニアが死に始める30年後くらいまでは緩やかに衰退し、そこからは早いスピードでの変革になると思います。

次世代の指導者や経営者がこの段階でどれだけ育っているかによって日本の未来は決まることになります。

 

つまり少子化ではあるものの今の子供とこれから生まれる子供に何を残せるかで全てが決まるのではないでしょうか?

 

東京一極集中の解消、教育制度の改革(無料化とかアホな事では無く)、大学の縮小と専門化、これから我々団塊ジュニアがどこまでできるかに全てはかかっていると思います。責任重大です。おそらく我々団塊ジュニアは後の世代から少子化を招いたと責められる世代になる気がします。団塊ジュニアとしては団塊世代が作った社会制度によって少子化を余儀なくされたと言うと思いますが、団塊団塊で当然言い分があるはずです。

戦後の復興を担い、アメリカの傘に入って大国と呼ばれるまで押し上げた(実際は人口増加によるものですが)という自負があるわけです。

 

まあでもこの辺はいくら論じても意味が無いですね。

詰まるところこれからはより「個」で勝負しないといけないわけです。その時代を世代で考えることが無意味かも知れません。

 

大事なのは学ぶことです。日本人の美徳として「勤勉」が挙げられることがありますが、いくつかの新興国を見てきた身として断言できるのは、日本人は全くもって勤勉ではありません。むしろ怠惰な部類です。

でもこれって貧しいから勉強して成り上がろうとするわけで、微妙に裕福になってしまった今の日本人が勤勉では無いのは当然かも知れません。

 

終わりの無い話ばかり書いてしまいました。

我々はお互い一人の「個」として研鑽し、その個が集まることで何かが良くなるのを期待するしか無いのでしょう。