上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

外国人と働くということ

日本国内においては日本の労働力不足による外国人の大量流入が予定されつつ、一方で日本国内市場だけではやっていけない企業の海外進出による日本人の海外勤務などもあり、これからの日本人はどうしたって外国人と一緒に働くということを真剣に考えざるを得ない環境に突入します。

 

また当然ながら「外国人」と一括りにすることはできず、アメリカ人・中国人・韓国人・インド人など国によっても全く異なります。

 

とりあえず私は中国人と働いた経験が長いので中国人について書いていきますね。

既に日本の倍以上のGDPを持ち、停滞する日本とは違い着実に成長も続いています。

日本の老人は中国をばかにする傾向が強いのですが、あと10年も経てば中国は日本人にとって憧れの国、出稼ぎに行く国になる可能性はおそらく皆さんが思っているよりもはるかに高いということはお伝えしておきたいです。実際既に出稼ぎに来ている人は少なからず居ます。

日本のメディアは主なターゲットは日本の老人です。老人に喜んでもらうために事実とは異なる情報を喜んで書いているという事実を早めに認識しておいた方が良いと思います。

 

さて、彼らですが基本的によく働きます。日本人が勤勉だというのは幻想ですのでここで認識を訂正しておきましょう。日本の生産性が先進国最低ランクというのは良く知られていると思います。

また中国は日本をはるかに上回る受験大国です。幼稚園から英語教室に通い、小学生にもなると土日は朝から夕方まで全て習い事で埋まっているというのが一般的な都市部に見られる光景です。低学年は英語や囲碁、海外教室や音楽教室、ロボット教室も増えていますね。高学年になると受験一色です。

というのも、日本以上に卒業大学のランクで就職先が決まるからになります。中ランク以下の大学ではそもそも大手企業にエントリーすることすらできません。

日本では高学歴を勉強だけできる実社会では役に立たない奴と批評する傾向がありますが、こちらで見ていると高学歴≒ビジネスの優秀さです。

大卒と高卒では恐ろしく違いますね。だから親は必死になって教育を提供するのです。

 

日本人と中国人のどちらが優秀かという議論には意味が無く、社会背景と教育水準によって決まります。

日本が停滞する中、中国はテンセントやアリババという巨大ネット企業を生み出していることを考えると、現状は中国に軍配があがるという意見が世界的には圧倒的に強いと思われます。

 

会社環境の違いとしては、

特定の業界(ITなど)を除くと残業は殆どありません。しかしマネジメントレベル以上は昼夜問わず働いている場合も多く、アメリカに非常に似ていると思います。ワーカーはきっちり時間分働くイメージです。

また、女性の社会進出という言葉がありますが中国はそもそも最初から男女が同等に働いているのでそのような言葉はありません。夫婦で奥さんの方が給与が高いというのはよくある話です。女性が働く場合、出産育児の問題が当然あります。中国は社会保障が手厚く、基本的に女性は産休中も同額の給与が支給されます。出産保険のような国の制度があります。
また産休から戻ったらポジションが無かったといういじめのような事も起きません。
出産は女性の多くが通るプロセスであり、その前提でチームを組み立てているからです。日本でもそういう会社は増えて来ているようですが、世界的には非常に低レベルでひどい環境と見なされています。

また、都市部では若干核家族化も進んでいますが基本的に出産育児中には夫婦の親が長期間泊まり込みでずっと滞在しますので、仕事への復帰が非常に早いという特徴もあります。

日本は東京に一極集中したために核家族化が進み、住宅事情の悪さも相まって産休中に親がずっといるという事もあまり見られない状態かと思います。

まあそんな感じでして、正直女性が仕事を頑張るなら日本より中国に生まれた方が現状は良いでしょうね・・

 

日本人が自分たちは凄いと空想に浸っている中、中国はじめASEAN諸国は凄まじい勢いで発展しています。

確かに過去の日本が残した金融資産はまだまだ巨大ですが、その活用を間違えば気づけば追い越されているという状態になるわけです。

 

自分よりはるかに高学歴で意識も高い外国人に囲まれて低レベルの仕事だけ充てがわれて、給与も圧倒的に低いという未来があなたが生きているうちにもうすぐやってきます。

日本はその前提で生存戦略を国レベル・自治体レベル・家庭レベルで決めていく必要があるのです。

 

一般的な日本人は上に書いた内容を見てどう思うのか気になります。もしお時間ございましたら是非コメントにてご意見いただければ幸いです。