上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

漫画文化と日本のテレビ番組の品質への考察

日本人は世界一漫画を読んでいるであろうことは想像に難くありません。

私も結構好きです。

 

最近Amazon Primeでアメリカのテレビドラマである「West World」を見ています。正直そのあまりの品質の高さに目から鱗がボロボロと落ちました。

 

日本ではよく映像作家?とかが日本ではまだこのレベルの作品は受け入れられないという表現をしますよね。何お高くとまっちゃってとか思っていました。

しかしやっとそも意味がわかりました。
多分その筋の人からしたら「West World」で何を言っているんだ思われるかも知れません。

アメリカはおバカ映画やドラマも多いですが、基本的に人間の内面を追求するものが多いと思っています。そしてそのフォーカスはものすごく繊細な部分を照らします。それを見せられた視聴者はその繊細さに心を動かし、創造力を膨らませて楽しむわけです。

 

一方で日本のドラマの何という単純さと画一性。小学生でもわかるようなわかりやすい人物設定で、そこには繊細さのかけらもありません。

 

で、なぜそんなに違うのかを考えてみました。そしてそれは漫画のせいじゃないかと思うようになりました。

どういうことかというと、映像と静止画の違いです。漫画は動かないので、シーン毎に切り出されたコマとしての表現です。一方映像は連続したコマとして流れる表現となります。映像は役者によりその感情の機微や心境などが非常に高いレベルと豊富な情報量で伝えることができます。しかし漫画というのは情報量が映像に比べると極めて少ないため、どうしてもひとまとめにしたわかりやすさにならざるを得ないと思うのです。

 

そして日本人は漫画を通じてそのわかりやすい表現に慣れすぎてしまい、映像世界の繊細且つ膨大な情報量を受け止められない、受け止めたくない人が多いのではないかという仮説を思いつきました。

 

少ない情報量でありながらもコマとコマとの間を想像させるような高レベルの漫画は極めて少なく、実際は切れ切れになってわかりやすいものばかりなのが日本の漫画の実情だと思います。

だからそういう受け止め方に慣れたしまった日本人に対しては、映像においても誰にでもわかりやすい単純なストーリーで、役者についても大雑把で創造力をふくらませる余地の無い演技しか求められなかったのではないでしょうか。

 

完全に思いつきなので多分間違った内容だとは思うのですが、日本の映画やドラマが低レベルな原因の一つでは無いかと思う次第です。