上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

そういえば日本には世界的なレストランが無くない?

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ちょっと鼎泰丰(ディンタイフォン)について語りたい。Wikipediaによると1958年に中国山西省出身の人が台湾で創業したそうな。

僕が住む上海にも多数のお店があります。

今や台湾料理を世界に知らしめている代表的存在としてその地位は非常に高い位置にあります。

世界10ヶ国、110店舗以上ということで日本にも20店舗ほどあるようです。

ここの何がすごいかと言うと、レシピや調理水準の管理もさることながら、従業員の育成手法やマネジメント層の育成手法などが完全に確立しているように見えることです。

 

下働きから始まり、点心の修行、炒めものやスープの修行なども相当厳しい水準を求められていますし、対価としての収入も小さくは無いと思います。

フロアにしても白い服の一般職員に対し、黒いスーツのマネージャー層、一際洗練された服装をしている管理責任者など、ホテルの従業員教育と非常に近いように見えます。

日本は知りませんが。

 

どのお店に行ってもほんの少しの味の違いはあるものの総じて高水準で衛生面もはっきり言って日本料理屋よりずっと高水準です。

 

これほどの高レベルで店舗ブランドを確立し、そのスキームを各国で同様に展開できるお店というのは少なくても日本には無いわけです。

マクドナルドやバーガーキングスターバックスなどアメリカ企業には多いですが。

 

吉野家は牛丼単品で客が継続的に来るのは日本だけだということを海外で思い知り、様々な丼などを売り出すものの何の特長もなく、廃れました。

松屋も同様で今上海では松のやというとんかつ屋をやっていますがはっきり言って美味くもなんともないです。

一風堂はその中でも頑張ってはいるのですがやはりラーメン(とチャーハン)だけではそこまで広がらないわけです。単店舗としては利益が出ている店もあるとは思うのですが、料理のブランドとしてラーメンが確立するわけもなく。

 

そう考えると、和食というのは非常に幅広く、個々のお店の断片的な評価が集まって世界的にWASHOKUを認識されるようになったものという事ですね。

ある意味料理自体が確立していないというか不定型な要素が強いのだと思います。

 

フレンチ・イタリアン・中国料理・台湾料理スペイン料理・インド料理・タイ料理などを思い浮かべると、1つのレストランでそれを体現できている店のイメージはつくのです。中国料理は地方によって違いがありすぎるのですがその地方を代表するレストランはあります。

 

しかし日本料理を代表するって概念がそもそも違和感がすごいですね。

和食ってなんだろうとか考えてしまいました。

 

まあともかくレストランを世界的なものにするには料理もさることながら従業員の育成・管理スキームの方が重要なんじゃないかと思う次第です。