上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

中国人社員マネジメントについて2

前回は雇用する社員の生活環境をまず知る必要がある事を書きました。

 

次は自社ビジネスに対する理解です。ビジネスオーナーであるならば当然自社事業については誰よりも深く理解しているとは思いますが、ここでいう理解とはビジネスの細かな内容では無く、雇用すべき社員の属性を導くための理解となります。

例えば自社商材を売るための営業を採用したい状況としましょう。

その場合以下がポイントになると考えられます。

 

・その製品またはサービスは革新的なものかコモディティ化した差別化の難しいもので あるかどうか。

・一回の取引における利益率は高いか低いか。

ストックビジネスか売り切り型の商材かどうか。

・労働集約型ビジネスかその逆か。

 

最低上記条件で分類してみれば、営業に必要な属性が見えてくると思います。

革新的な商材であれば営業は質より量となり、差別化が難しい商材であればコンサルティング営業などが必要になります。

一回の取引における利益率により、営業にどの程度のインセンティブを提供することができるかが決まります。

ストックビジネスであれば損益分岐まで伸ばすために初期に強力な(高額な)営業が必要で損益分岐後は安定的なサポート寄りの営業の方が良いかも知れません。

ベンチャーに多い労働集約型モデルの場合、売れば売るほど内部稼働が高まりますので売ることよりも内部組織をまず充実させる必要があるかも知れません。

 

非常にざっくりとした話を書いてしまいましたが、このような求められる適性において上海人をどのタイミング、どのポジションで採用するべきかということが見えてくるのです。

例えば不動産業のような利益率が高く、売り切り型ビジネスの場合殆どの末端営業は上海以外の外地人です。出稼ぎ労働者にとっては高いインセンティブが就職の基本であり定着率も非常に低い傾向があります。コンサルティング営業のような経験がものを言う営業にする場合はその仕事を本当に長く続けることができるのかをよくよく確認しなければなりません。

 

尚、日本人採用の場合も同じかも知れませんが面接時に応募者が本当の希望を言うことはあまりありません。応募者側も妥協して御社に入社している事も多いことを理解しましょう。