上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

中国人社員マネジメントについて1

中国人に限らず、今後日本は多くの外国人と付き合っていく必要があります。

今日はよく言われる中国人部下のマネジメントについて書いてみます。

 

中国はあまりに広く、出身地によりその状況は大きく異なります。

まずは上海人についてです。

 

上海には多くの居住者が居り、その半分弱が外地からの流入者となります。

上海で会社経営をするのであればまずは上海人を知らなければなりません。

 

日系企業に就職する新卒上海人の初任給は大体手取り4,000元(現在の1元16.5円レートで66,000円程度)となります。日本語がかなり上手だったりすれば更に+1,000元くらいにはなるでしょう。

 

まだまだ日本に比べると低いと思えます。しかし彼らの資産はあなたより豊かかも知れません。

彼らの両親は、大抵の場合政府から供与された住宅を1戸以上持っており、うまく資産運用できた家庭では3戸以上持っている場合も珍しくありません。

そしてそのマンションの一部屋は一億円以上することも十分に有りえます。

 

つまり、あなたの手取り7万円の部下(一人っ子)は資産数億円を既に保有しているのに等しいわけです。

 

実際手取り4,000元で上海で生活するのは容易ではありません。ボロボロのマンションの一部屋でも都心部では月4,000元程度は必要です。

そのため家を持たない外地人は5人前後で2部屋あるマンションを借り、共同生活をして家賃負担を減らすのが一般的です。

 

実家と資産がある上海人にとって、必ずしも仕事で高い挑戦をして神経をすり減らす必要は無いのかも知れません。

そこは個人の考え方により大きく変わりますが、少なくとも外地から来ている人よりははるかに競争よりも安定を望む傾向が強いです。

そして上海では上海語が話せる上海人よる目に見えない各種ハードルが存在します。

 

これら最低限の情報は社員を雇用する前に知っておくべきことになります。

日本の報道を鵜呑みにし、中国人を下に見て偉そうに振る舞う経営者の多いこと。

 

偉そうな総経理よりも金持ちな社員は実はたくさん居ます。

別にだからと言って部下に必要以上に気を遣う必要があるということではありませんが、その振る舞いによってピエロに映らぬよう、個々の社員の生活環境を踏まえておくことは損にはなりません。

 

まずは中国人の状況を正しく理解し、地域ごとに全く異なるということを知ることがマネジメントの第一歩と私は思います。

 

 

悲しむことを忘れた日本人

海外にいるため、日本の情報はどうしてもネットに依存しがちになります。

そのためかも知れませんが、どうも最近の日本人は怒ってばかりのような印象を受けています。

 

「イラつく」「モヤモヤする」「ムカつく」など怒りや不満に関する表現が増えています。特に女性に多いですね。

これら怒りに関連する言葉の増加に反比例するのが悲しみの表現です。

 

喜怒哀楽の哀、悲しみ、哀しみ。

本来、自分ではどうしようも無い時に感じるべき感情は悲しみであるはずだと思うのです。昔の本を読むと悲しみの表現に溢れています。

 

しかし最近はどうでしょうか。

日本人は本当に悲しまなくなったように思えます。

 

文化が発展し、できる事が増え、我慢をする必要はどんどん薄れています。

我慢をする経験が少ないため、赤子のように癇癪を起こす。そんな人が増えているのではないでしょうか。

 

足ることを知らず、求め、怒る。

内面の幸福からは程遠いですね。

 

物質的文明から精神的文明の発展に資源を移さなければならないと強く感じています。

上海の現在(2017年5月)

私は上海に長く住んでおり、年に5回ほど東京に戻りますが、東京と上海の差について改めて確認してみます。

 

■人口

東京都 1368万人

上海市 2433万人

 

■面積

東京都 2190k㎡

上海市 6,340k㎡

 

こう見ると上海は東京都の3倍の面積を持つ大きな都市で、東京の人口密度には及ばないということになりますが、実際の感覚とは大きく異なります。

 

東京都もそうですが、都市部とそうでないエリアが存在し、上海市における東京都心もしくはそれ以上の発展レベルとなる浦東新区(の一部)、黄浦区、静安区、長寧区、徐汇区で考えると東京の4区分くらいじゃないかというイメージです。

 

住んでいる感覚としては、東京より小さな都市で且つ東京23区を超える人口密度というイメージです。上海都心部の地価は東京を大きく上回り、地下鉄の発達レベルは東京同等、今後路線が更に増えて都市圏が拡大している途中というのが上海の姿です。

 

データでは見えにくく、上海に初めて来られた日本人出張者は皆一様に上海の発展度合いに驚き、感嘆と恐怖の混ざったような反応をされることが多いように思えます。

 

地震が殆ど無い事による高層建築の標準化は、一般市民が住むマンションでも30階程度は珍しくありません。古いアパートは壊され、新たな商場やオフィスビルが作られます。増えすぎたショッピングモールも今後淘汰されるでしょう。

 

データでは見えにくい上海。是非一度ご自身の目で確認されることを強くお勧め致します。

 

 

 

 

 

中国在住日本人経営者から見た世界

はじめまして。

私は中国に長く住む日本人です。

 

比較的大きな日系企業の中国代表を務めています。

過去実名でブログを書いたことは何度かありますが、実名だとどうしても本当に書きたいことを自由に書くことは難しく、改めて匿名という立場で様々な考えを書いていきたいと思っています。

 

ブログはFacebookのようなSNSと違い、長く情報がネット上に残り続けます。

それゆえ書く内容には細心の注意を要し、推敲の後公開ということになります。

書き捨てるSNSに対してまだまだ意味のあるものだと思っています。

 

海外に長く住む日本人としての視点で、日本の特殊性や世界はどう動き日本がついていくことはできるのかなど色々感じたことを書いていきたいと思います。

 

どうぞよろしくお願いいたします。