上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

中国は監視社会か新たな規範か

www.msn.com面白い記事ですね。中国社会を否定したくてたまらないようです。

でも、AIと監視カメラは確かに相性が良いですね。この記事では信号無視など小さな違反行為を取り上げて監視社会的な論調に持っていっていますが、強盗・暴行・殺人などであればどうでしょうか?

一刻も早く捕まえて欲しい、そのためのシステムは大歓迎なのでは無いでしょうか?
敢えてささいな例を出して否定する非常にレベルの低いやり方ですね。

 

アリババとセサミクレジットが提供する個人信用情報は正しくは芝麻信用と言います。基本的に記事の通りですが、アリババのオンライン決済システムである支付宝による消費金額、同システムを使った光熱費等の決済、及び金融期間と連携した投資情報などの要素により点数が決まります。

 

またこの点数は毎月変動します。そしてそれは単純に消費行動の多寡だけでなく、信頼に足る行動をしているかどうかでも変動します。

日本でも一部導入されているレンタル自転車「Mobike」は同システムと連携します。日本人は「どうせ中国人は自転車をレンタルしてもそのまま盗んだり壊したりするだろ」と思っている人も多いと思います。また、このレンタル自転車が正しく機能するには借りた後に正しいエリアに駐車してもらうことも必要です。変な場所や自宅に持ち込まれたら困りますよね。そしてこういった行動もこの点数に影響するのです。指定範囲外に乗り捨てた場合、信用ポイントが減る可能性があります。(一回程度では減りません)

そしてMobikeの様な、この信用システムと連携するサービスは多岐に渡ります。つまり、システムにより善良な行動を評価し、悪質な行動を制限するわけですね。信用を毀損する行動を取れば点数が下がり、サービスの利用に制限がかかるわけですから。

 

これを監視社会と言えばもちろん監視社会なのでしょう。しかし、日本のコンビニの傘立てに入れたビニール傘の盗難率はどれくらいでしょうか?それがいつまでもなくならないことに腹が立ちませんか?

 

悪いことも良いことも神様が見ている。だから良い子でいましょうね。とよく言いますね。日本以外ではまだまだこういう神による犯罪抑止力はあると思います。
多分日本にはもう殆ど無いと思いますが。

 

私は少なくとも犯罪者では無いし、犯罪を犯した人間はできるだけ早く捕まえて欲しいと思っています。このシステムはそれに貢献できる力があり、歓迎すべきものと考えます。

 

しかし、このシステムを運用するのはただの人間で神ではありません。それが最大のリスクです。このシステムを用いて悪いことだっていくらでもできてしまうわけですから。

 

まあこのように中国では世界初となる試みが多数行われており、その成功度合いにより今後中国が世界のリーダーシップをとる可能性は多分にあります。この事実を頼もしいと見るか恐ろしいと見るか、いかがでしょうか?

 

少なくともこの記事のように否定する目的ありきで判断すべき事項では無いと思います。