上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

海外駐在日本人と現地採用日本人

日本企業が進出する多くの国において、企業は本社所属の駐在員を派遣します。

現地法人における駐在員の多くは経営を担当し、本社の意向を最も理解し、現地事業の展開を急ぐ役割となります。

 

そして、多くの場合駐在員には各種の手当がつきます。海外赴任手当・危険地域手当・住宅手当(日本よりはるかに高い家賃は大抵の場合会社負担)・為替手当・子供の教育手当(現地の日本人学校やインターナショナルスクールの費用)などです。

 

企業にもよりますがその手当の厚さは本社社員の待遇を大きく上回る事が多いです。

最近では海外進出が当たり前となり、その手当も減少傾向にはあると思いますが、大手自動車メーカーなどでは、5年も海外駐在をすれば日本で家が買えるとも言われることもあります。

 

賃貸マンションにおいても、高級と言われる駐在では月間家賃は例えば上海ですと軽く50万円を超えます。私が知る限り最高は90万円くらいです。小規模企業はそもそも海外に現地法人を持たないので割愛するとして、中堅規模でも最低30万円くらいだとおもいます。

 

当然ながらその分のリスクやストレスは存在しますが、一度海外駐在に選ばれるとその海外経験を買われて任期満了後もまた違う国へという事も多く、一般社員との生涯賃金の差はかなり大きいと言えるでしょう。

 

さて、一方で現地採用日本人も居ます。多くはその国の大学に留学・卒業し、帰国して就職することなく現地で就職した場合や、その国が好きでその国に居たいがために敢えて現地採用で働く場合、また女性に多いのは現地国籍の男性と結婚し定住しつつも自分も働く場合などがあります。

 

現地採用者の給与は、基本的にローカル社員の給与水準と大きくは変わりません。日本人という事で多少高いことはありますが、中国だと30歳くらいまでは日本の新卒給与に近いレベルのケースが多いように思われます。そして年配の人は多くはありませんが、あまり給与が上がらない場合が多いとも感じます。

そして、日本円の給与をもらうわけでもないため、現地採用者の多くは国民年金を支払っておらず、役所に対して適切な申請をしていないケースが非常に多いという問題もあります。

 

上記のような背景の違いから、本社駐在と現地採用者は同じ日本人でありつつもその格差は各種手当を含めると3~5倍以上になることも全く珍しくありません。悲しいかな圧倒的な格差です。

ただし現在の傾向としては高いスキルレベルを現地採用で賄うこともあり、一般的な日本で働くサラリーマンよりも高い給与で働く現地採用者も多くは無いものの居ます。ただしそれは給与の高いローカル社員と同じ理屈であり、所属の違いにより前提としての格差は依然として大きく存在しています。

 

こういった話はあまりメディアで取り上げられることも無いので初めて知る人も多いと思いますが、今後日本で働く外国人が増えるとともに日本人が海外で働く機会もどんどん増えてくると思います。

将来海外で働きたい人は知っておいた方が良いと思います。

 

 まあでも上海なんかの場合、年収億超えでマセラティを乗りまわすローカル富豪が腐るほどいるので今や日本人駐在程度に大したバリューはありません。あくまで貧しい日本人社会での格差ですね。