上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

いじめられている側の問題について

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               (出典不明:ネットで拾った。どっかのテレビ番組)

 

小中学生向けアンケートで、いじめられている側にも問題があるという回答が3/4を超えたそうですね。

さすが子供は素直ですね。

 

しかしこれをいじめの容認ととってしまうのは完全な理解ミスだと思います。これは、いじめられている側にも問題(原因)がある⇒だからいじめても良いという事では無いのですから。

単純にいじめのきっかけや原因が存在しているという当たり前の話です。おそらくは小賢しい子が先読みしていいえと回答しただけの話で、基本的にはこれは満場一致で100%になる類の質問であり、意図的にミスリードを誘うメディア側に一番問題があると思います。

 

人間以外の哺乳類にも多くいじめと似た現象が発生するわけで、群れとして生きるために生存確率を下げる可能性が高い個体を排除する生存欲求に基づくものであったり、原因は不明だけど突然発生するものだったりしますよね。

なので、いじめ自体は生物として当然発生する取るに足らない自然現象であると言えるでしょう。しかしいじめられる側としてはたまったものではありません。

そこは万物の霊長を自認する人間が他の動物とは違うことを証明するしかありません。

しかし現状を見るにその証明は全くできておらず、人間も他の動物と大して変わらないということが確認できました。

 

例えばですが、いじめ自体を殊更特殊な状態のようにして取り上げる今のやり方に問題があるとは思えないでしょうか。むしろ発生するのは当然という見地に立ち、その前提で発生を無くしたり数を減らすにはどうしたらいいのかということを考えるべきだと思います。

 

私の住む上海には日本人学校があります。聞いた話では、日本の学校に比べるといじめの発生件数は驚くほど少ないそうです。

それはなぜでしょうか?海外だから?日本人駐在の比較的富裕層の子供が中心だから?

違います。

それは、定期的に生徒が入れ替わるからだそうです。

日本人学校の生徒の親は日本企業の駐在員が多くを占めます。そのため、突然の帰任辞令であったり、逆に突然の赴任、また予定通りの帰任などまあ6年間ずっと通い続ける子は多くは無いのです。

そのため、生徒同士でもいつ会えなくなるかわからないという感覚があり、新たな転入生と仲良くしつつ上海を去る友達への対応もあったりと結構忙しいわけです。

 

つまり、「流れる水は腐らず」です。これは非常にこの世の中の真理を表した良い言葉ですね。転石苔むさずだとちょっと意味合いが英米で異なるようなので使いません。

 

いじめを無くしたい減らしたいのであれば、定期的に生徒をシャッフルするのが最も効果的なはずです。ただしそこに住む人々にとっては学区もあったりと現実味が無いかも知れません。また、自分の子供だけ転校させまくったとしても受け入れる側のメンバーは変わってないのでこれは意味がありません。2年に一回クラス替えなどもやらないよりはマシなのですが、学校全体の構成員はそう変わってないので効果は非常に低いと言えます。

 

とすると制度的に解決するのもなかなか難しそうです。よく言われる田舎の人は陰湿だとかそういう話も、別に田舎に住んでいる人が陰湿なのではなくて狭いところに固定メンバーで構成されてしまうと人間は陰湿になってしまうんですね。

 

そうすると古い慣習で縛られた日本国内での教育はなかなか大変なことがわかります。とはいえ海外の学校に来ればいいじゃんとは気軽に言えないですからね。国内でどう解決すればいいのか。。答えは見えません。

しかしもしお子さんがいじめに悩んでいるのであれば親として海外勤務についてみるというのも選択肢の一つとして考えても良い時代なのではとも思います。

 

 

 

中国的お気楽スタイルのススメ

最近ようやく日本の過剰サービスについて議論が始まってきました。

とても良いことですね。

 

中国の雑なサービスについてはよく日本のメディアにも悪意をもって取り上げられることも多いですが、住んでいる立場としては誠に楽だったりします。

 

今は無くなりましたが昔は国営コンビニなどでは店員がレジでタバコを吸ってたりなども普通でした。

それで52元の物を買って100元札を出すと、ほぼ必ず「2元ないの?」って聞いてきます。細かなお金を出すのも面倒だしもらう方も切りが良い方が良いですよね。極めて合理的です。日本だったら何も言わずに「100元お預かりしま~す。」とか言って48元のお釣りを出すわけじゃないですか。

 

顧客に対して変に構えずに対等の立場として接するのって大事だと思います。馬鹿丁寧に接すればストレスも溜まるし、客はそれが当たり前だと思ってしまうこととなり余計なトラブルの元になってしまいますよね。はっきり言って良いことが何も無いんです。

もちろん高級ブランド店では日本に近いレベルでの接客は提供されます。これは商品の価格に購入する体験費用も含まれているからですね。これも非常に合理的です。良いサービスを受けるためにお金を払うだけの話ですから。

 

これらの事から思うのですが、日本はどう見ても格差社会です。中国ほどでは無いですが。

しかし、中国と日本の違いは、中国では所得と社会的階級の違いをそれぞれが認識しています。つまり、出稼ぎ労働者で低給与の人は自身が低給与であることをしっかり理解していてその中で人生を楽しむわけです。

一方日本は、一億総中流という言葉も過去にありましたが、格差を正しく認識できていません。人としてはもちろん平等ではあるんですが、社会的には全く平等では無いわけですよね。平等では無いのに平等だと思っているからその差に苦しむのです。

人が社会的に成功するかどうかは、はっきり言って生まれで半分くらいは決まってしまいます。比率に異論はあるでしょうがこれは貧困の連鎖の話で今更言うまでもありませんね。

だからこそ、無意味に足掻かずに今の環境で愉しめば良いのです。

 

しかしこの問題が解決するにはあと1世代くらいかかりそうですね。貧乏人でもブランド品の一つ二つくらいは買える日本ですから。

割り切ってしまえば高望みをしなくなるので良いと思います。実際、お金持ちが毎日楽しく暮らしているかっていうと全然そんなことなくて、幸せ指数はお金持ち度とは比例しないです。

例えば本当に信頼し合える友人がいるとか、夫や妻を心の底から愛しているといえるのであればその時点で大抵のお金持ちよりあなたは幸せです(笑)。

 

 

 

中国の女性たち

中国に居ると女性経営者の多さに圧倒されます。

また、優秀な方の多いこと多いこと。

 

日本は女性の社会進出面では圧倒的に後進国だと感じます。

この原因として大きいのはやはり子育て環境にあると思われます。

 

日本は高度経済成長期において核家族化が進み、結婚したらマイホームを買って自分たち+子供での世帯形成が進みました。

その結果、子育ての負担は女性側に集中します。専業主婦という言葉も生まれ、女性が家から離れられないようになりました。

 

一方中国では基本的に男女が結婚すると両親とは別の世帯となりますが、妊娠するとどちらかの親が子どもたちの家に住み込むことが一般的です。

子育て経験のある親が子育てを手伝ってくれるというのは非常に大きな助けとなり、出産前後の休暇も日本と比較すると短くて済みます。

女性にとってキャリアの障害となる出産育児が大きな障害にならないという社会環境の違いがあります。

 

一方で精神面での問題もあるように思えます。親世代が専業主婦という環境で育った子供は、潜在的に家庭は男性が支えるもの、女性はそれを支援するものという固定観念を持っています。

雇用環境もそれを助長するものとなっています。

一方中国では、妻側が夫側より給与が高いというのは全く珍しくありません。また、特に上海では男性の料理比率が非常に高く、小さな頃からパパが料理を担当していたという環境で育った子供もたくさんいます。

なのでそもそも男女の勤労についてのマインドが全く違うわけですね。

 

日本はこれからどうなるでしょうか?文化的にはもしかしたら昔の男は外で働き女は家を守るというやり方に回帰した方が良いのかも知れません。

現在は非常に中途半端な状態ですが、もしも日本の女性が本当の意味でグローバルレベルの社会進出を目指すのであれば、女性自身が変わらなければならない事も多くあります。結婚がゴールになることはありません。腰掛け就職なども無くなりますし、男を選んでいる暇があったら自身のキャリア形成に力を入れる必要も出てきます。

客観的に見ると日本の女性は社会進出を叫びながらもその責任を負う覚悟も持っている層はまだまだ殆どありません。その幼さが成熟する日が来るとはまだ思えないですね・・・

パチンコを止めたい人へ

一番良い解決策は海外に住むことです。

あんな中毒性のあるギャンブルが街中にあるのは日本だけなので。

 

逆に言うと日本だからこの程度の被害というか産業規模で済んでいるわけで、もし中国でパチンコが日本と同じように存在するようになったら、数年で国家が間違いなく崩壊します。

中国人の性格上絶対勝つまで突っ込みますね・・・

 

冗談はさておき、もしフリーターでパチンコにハマってるみたいな独身者だったら日本に居ても這い上がるのは限りなく難しいので、アジアとかに出稼ぎに行くのが良いと思います。

ビザの問題はありますが、ビザが取れるようなら住居も安いし物価も安い。給料も安いけど。

ただ、海外の方が能力を示せば飛躍的に給与や待遇を上げることができると思います。優秀な日本人は常に不足しているので。

 

本気で考えてみるべき選択肢だと思います。

 

会社の論理を知ること

ちょっと匿名ならではの内容も書いてみようと思います。

 

企業経営者自身が公に語ることが中々難しい内容です。

 

日本では団塊世代における終身雇用制度があったため、どうも世界に比べ雇用者と被雇用者の関係が間違った形で認識されている傾向が強いです。

 

会社の目的は当然ながら利益の追求です。そしてそれは従業員には全く関係の無い話でもあります。

利益は株主のためのものだからです。

 

会社は従業員の人生に何ら責任を負っていません。従業員の労働に対して適性な対価を支払う義務だけです。

 

あるベンチャーがあるとします。幸福の追求的な理念を掲げ、社長は従業員を褒めそやし、社員を大切にする社風全開の演出を日々行っています。

従業員はそんな社長を尊敬し、一生懸命残業して競合に勝利しドラマのようなワークスタイルを実現して充実した毎日を送っているとしましょう。

 

でもでもよーく考えてみましょう。

今社員は30名。20代が中心で30歳過ぎた者がちらほら。平均年収は3~400万円代です。

 

10年後はどうなるでしょうか?

 

30代が中心で40歳を過ぎた者がちらほら。年齢的にも管理職になってないとまずいですね。じゃあ全員課長としましょう。給料も平均5~600万円代は最低欲しいですね。

30人の課長が5人ずつの部下を持つとすると単純計算で180人の社員になりますね。

 

更に10年後はどうなるでしょうか?

 

40代が中心で50歳を過ぎた者がちらほら。年齢的には部長・役員クラス。給料も年収800万~1300万くらいでしょうか。

これが30人。もう無理ですよね。

 

いや、そんなことはわかってる。当たり前。20年も経つ前にみんな転職したり独立したりして残るのは数名になるじゃん。

 

はい、それはもちろんそうです。

しかし、実は世の中のベンチャーと呼ばれる会社の大半は10年後すらもちません。

会社が潰れるという意味では無く(もちろん大半が潰れますが)、ビジネスモデルがそういう構造では無いのです。

 

20代社員が30歳になる前にクビなりなんなりさせて、より元気で給料の安い社員を雇って事業を回転させることが大前提である会社のいかに多いことか。

100人、1000人、1万人を目指せるビジネスモデルのベンチャー企業など殆どありません。

 

まあそういうことなんですよ。

社員の業務効率を上げるためなら社長は何だってします。お金かからないし。

その会社の事業がどれだけの成長性を秘めているかを判断できる20代も殆どいません。大学でそういうこと全く教えないですから。

 

だから私は若い人には是非ちょっと斜に構えてもらって冷静に自分はこの会社でどういうキャリアを得られるのか、キャリアを得るまでの報酬は適正か、そのキャリアを得たあと更に上のキャリアを得るための選択肢は豊富か、

などをちゃんと考えて欲しいです。

 

東芝が潰れるの潰れないのという時代ですよ。

お父さんたちの時代とは全く違うのです。国内市場は縮小し、外国人労働者も間違いなく増えます。

優秀な自在は海外で働くことが当たり前になります。

 

高校時代・大学時代に先を見据えた心構えや研究をしておくことができるかできないかで同じ学歴でも生涯収入は圧倒的に変わってくると思います。

 

でもこういうことって親くらいしか普通言ってくれません。

低所得の親は世の中の仕組みも知りませんから負の連鎖が続いていくわけです。

 

別に社会的に成功することが全てとは全く思いませんが、お金は無いよりはあった方が良いものの一つですので是非早めの準備をお勧めする次第です。

 

既に結構歳がいってしまって現在の自分の境遇に不満を持つ人もいると思います。

幸い現代は昔に比べればやり直しの機会は豊富です。

 

総括して言えば昔のように会社に縛られない人生を選びやすくなったわけで、世の中はよくなっていると思います。終わり。