上海に居ながら日本を考える

上海にやたら長く住む日本人が中国と日本を比較しながら様々なことに思いを馳せるよ

会社の論理を知ること

ちょっと匿名ならではの内容も書いてみようと思います。

 

企業経営者自身が公に語ることが中々難しい内容です。

 

日本では団塊世代における終身雇用制度があったため、どうも世界に比べ雇用者と被雇用者の関係が間違った形で認識されている傾向が強いです。

 

会社の目的は当然ながら利益の追求です。そしてそれは従業員には全く関係の無い話でもあります。

利益は株主のためのものだからです。

 

会社は従業員の人生に何ら責任を負っていません。従業員の労働に対して適性な対価を支払う義務だけです。

 

あるベンチャーがあるとします。幸福の追求的な理念を掲げ、社長は従業員を褒めそやし、社員を大切にする社風全開の演出を日々行っています。

従業員はそんな社長を尊敬し、一生懸命残業して競合に勝利しドラマのようなワークスタイルを実現して充実した毎日を送っているとしましょう。

 

でもでもよーく考えてみましょう。

今社員は30名。20代が中心で30歳過ぎた者がちらほら。平均年収は3~400万円代です。

 

10年後はどうなるでしょうか?

 

30代が中心で40歳を過ぎた者がちらほら。年齢的にも管理職になってないとまずいですね。じゃあ全員課長としましょう。給料も平均5~600万円代は最低欲しいですね。

30人の課長が5人ずつの部下を持つとすると単純計算で180人の社員になりますね。

 

更に10年後はどうなるでしょうか?

 

40代が中心で50歳を過ぎた者がちらほら。年齢的には部長・役員クラス。給料も年収800万~1300万くらいでしょうか。

これが30人。もう無理ですよね。

 

いや、そんなことはわかってる。当たり前。20年も経つ前にみんな転職したり独立したりして残るのは数名になるじゃん。

 

はい、それはもちろんそうです。

しかし、実は世の中のベンチャーと呼ばれる会社の大半は10年後すらもちません。

会社が潰れるという意味では無く(もちろん大半が潰れますが)、ビジネスモデルがそういう構造では無いのです。

 

20代社員が30歳になる前にクビなりなんなりさせて、より元気で給料の安い社員を雇って事業を回転させることが大前提である会社のいかに多いことか。

100人、1000人、1万人を目指せるビジネスモデルのベンチャー企業など殆どありません。

 

まあそういうことなんですよ。

社員の業務効率を上げるためなら社長は何だってします。お金かからないし。

その会社の事業がどれだけの成長性を秘めているかを判断できる20代も殆どいません。大学でそういうこと全く教えないですから。

 

だから私は若い人には是非ちょっと斜に構えてもらって冷静に自分はこの会社でどういうキャリアを得られるのか、キャリアを得るまでの報酬は適正か、そのキャリアを得たあと更に上のキャリアを得るための選択肢は豊富か、

などをちゃんと考えて欲しいです。

 

東芝が潰れるの潰れないのという時代ですよ。

お父さんたちの時代とは全く違うのです。国内市場は縮小し、外国人労働者も間違いなく増えます。

優秀な自在は海外で働くことが当たり前になります。

 

高校時代・大学時代に先を見据えた心構えや研究をしておくことができるかできないかで同じ学歴でも生涯収入は圧倒的に変わってくると思います。

 

でもこういうことって親くらいしか普通言ってくれません。

低所得の親は世の中の仕組みも知りませんから負の連鎖が続いていくわけです。

 

別に社会的に成功することが全てとは全く思いませんが、お金は無いよりはあった方が良いものの一つですので是非早めの準備をお勧めする次第です。

 

既に結構歳がいってしまって現在の自分の境遇に不満を持つ人もいると思います。

幸い現代は昔に比べればやり直しの機会は豊富です。

 

総括して言えば昔のように会社に縛られない人生を選びやすくなったわけで、世の中はよくなっていると思います。終わり。